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鉄道ダイヤに関する書籍

ダイヤグラムは鉄道趣味の中でもきわめてニッチなテーマであり、時刻表や列車研究に比べると、取り扱う書籍や雑誌の数はかなり少ないのが実情です。その中で手に入りやすいと思われるものを紹介しました。

列車ダイヤのはなし

阪田貞之著 中公新書50 1964

列車ダイヤをわかりやすく解説した草分け的な本。ダイヤグラムの解説のほか、車両や施設不足に悩んだ国鉄の「サンロクトオ」(1961年10月1日)改正を題材にとってダイヤグラム作成のエピソードを紹介している。下記「列車ダイヤのひみつ」の著者によれば、原稿のリライターは当時中央公論社の編集者だった宮脇俊三氏だったそうです。

列車ダイヤ

茂原弘明著 日本交通公社 1983

残念ながら未見です。

列車ダイヤのひみつ

富井規雄著 成山堂書店 2005

列車ダイヤとは何かを鉄道というシステムから説き起こして、その作成方法を解説する。需要分析、車両・設備の面にバランスよく目配りし、ダイヤの善し悪しの評価にも触れる。またダイヤグラムを使って行う運行管理や運転整理の具体的な状況についても紙幅を割いて紹介している。現在入手できるダイヤグラムについての包括的な解説書といえる。

列車ダイヤと運行管理

列車ダイヤ研究会 交通ブックス116(成山堂書店) 2008

上記の本と同じような狙いで書かれた本。主にJR東日本の関係者によって書かれており、東日本管轄の新幹線や湘南新宿ラインなど東京圏のダイヤについて具体的な解説がある。あとがきによれば、「列車ダイヤの完成までに至るプロセスのうち、地上設備や車両条件などん条件でこれまであまり語られてこなかったものの記述に努めた」そうです。

ダイヤグラムで広がる鉄の世界

井上孝司著 秀和システム 2009

筆者はマイクロソフトにも在籍したことのあるテクニカルライター。ほかの書籍がいずれも鉄道会社(または国鉄)の内部の人の執筆であるのに対し、外部の人間がダイヤグラムを使って鉄道サービスのさまざまな話題を解説する、というスタンスをとっている。書籍では公開された資料としての時刻表から列車ダイヤを作成する際に、WinDIAを活用している。

鉄道ダイヤ回復の技術

電気学会・鉄道における運行計画・運行管理業務高度化に関する調査専門委員会編 オーム社 2010

鉄道会社、ITメーカー、研究者による委員会が作成したリポートをまとめた。委員会を作った目的に鉄道会社が日常行っているダイヤの回復という実務のノウハウを共有化しようという狙いがあるようで、個々の鉄道会社の運転管理の実情を紹介した章は興味深い。

鉄道ダイヤの作り方

富井規雄著 オーム社 2012

ダイヤがどのようにつくられているのか、ダイヤが乱れたときに鉄道会社はどのように対応しているのかを分かりやすく解説している。列車ダイヤづくりとその運用の実態を、鉄道会社の事例を通じて取り上げている。「列車ダイヤのひみつ」の姉妹編のような位置づけ。実物ダイヤの写真を多数収録しているのはうれしい。

列車ダイヤと運行管理(改訂版)

列車ダイヤ研究会 交通ブックス116(成山堂書店) 2012

前版に東日本大震災への鉄道の対応、旧版以降直近までのJRダイヤ改正に関連するトピックを追加した。筆者が東日本関係者なので話はJR東に集中しているが、結構細かく手が入っていて好感はもてる。4年で改訂が出るのは震災対応の話をどうしても残したかったのではないかと推察する。